久しぶりに図書館に行きました。最近は遅い時間まで開館しているところもあるんですね。閉館8時なんて嬉しい限り。
ある時期から本から遠ざかっていましたが、図書館に行ってみると、あれも読みたいこれも読みたいと6冊も借りてしまい、重すぎる上に鞄にも入りきらず、仕方なくそこで1冊読み上げて返却して帰りました。
角川書の出版した『ライオンと蜂蜜』と言う本、作者はでデヴィッド・グロスマン。聖書に登場する怪力男サムソンを考察した本です。薄くて軽いので、すいすい読めましたよ。
この本で、サムソン・コンプレックスという用語も知りました。「愛するものに裏切られることを望む心理状態」のようです。複雑に屈折していますが、ありそうな感じではあります。
大好きな須賀敦子の『ユルスナールの靴』も、再読したくなって借りてきました。彼女の文章は優しくて美しく、私の知らない国の話をしていても、どこかさびしい懐かしさを感じさせます。読んでいると、自分が日々の中でいつも感じる、じれるようなもどかしさがかきたてられます。
この感覚はこの本の冒頭に書かれた、
「きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。そう心のどこかで思いつづけ、完璧な靴に出会わなかった不幸をかこちながら、私はこれまで生きてきたような気がする。」
という文章そのものなのでしょう。
いつかこうしたい、私にはそういう願いがいくつもあって、それをかなえるために今とにかく働いているわけですが、様々な問題もあって、時々その夢を確かに描き続けることが難しくなることもあります。この気持ちが彼女の書く文に揺すぶられるのかも知れません。
そのほか借りた本:
*『遊牧の文学』 奴田原睦明
*『森の生活』 ソーロー
*『シバの女王』 ニコラス・クラップ
*『錬金術師の魔砲』 J・グレゴリイ・キイズ